クラフトジンとは？

クラフトジンの定義は明確ではありませんが、一般的には原料や製法などにこだわって作られたジンとされています。ジンとは、ベーススピリッツにジュニパーベリーなどのボタニカルで香り付けした蒸溜酒です。醸造酒と比べてアルコール度数が高く、かつ雑味が少ないためカクテルにも適しています。
クラフトジンは、ベーススピリッツの原料、ボタニカルの産地や配合などを蒸溜所が独自で工夫しているジンの総称です。蒸溜所ごとに独自のコンセプトを持ち、地域の特産ボタニカルを使用するなどのこだわりが見られる、品質の高いジンといえます。

クラフトジンの歴史

クラフトジンと呼ばれるようになったのは2015年頃です。しかし、クラフトジン自体は2015年以前から発売されています。

まず、2000年にクラフトジンの先駆けともいわれる「タンカレーNo.10」が発売されます。高級志向で造られたクラフトジンで、従来のタンカレージンより雑味が少なく、上品なボタニカルの香りを楽しめるのが特徴です。

時を同じくしてスコットランドからは、従来のジンでは使用しない薔薇やキュウリなどを使用したヘンドリックスと呼ばれるジンが登場しました。ヘンドリックスは、ジンの世界に新しい風を吹き込んだのです。しかし、この頃のジンはあくまで高級志向だったため、プレミアムジンとして世に出されました。

数年後、フランスで開発されたジンが、ユニ・ブランと呼ばれる品種のブドウをベーススピリッツの原料として使用しました。その際、同品種の花をボタニカルとして加えたのがジーヴァインというジンです。

この動きをきっかけに、ヨーロッパを中心にジンの生産が活発化していきます。200年以上も蒸溜所が建設されていなかったロンドンでさえ、政府の許可を得て新たな蒸溜所が設立されるようになったのです。それに伴い、ジントニックに適したジンの開発がスタートします。

その後もクラフトジンやプレミアムジンの生産ブームは広がっていきます。大手ジンメーカーからアメリカのウイスキー製造業者まで、多くの企業がクラフトジンやプレミアムジンの生産・販売に乗り出しました。

その影響は日本にもおよび、2016年に日本初ジン専門蒸溜所が京都に設立されます。大手飲料メーカーも波に乗り、日本独自のジンが生産され始めました。日本にはもともと焼酎や泡盛などの蒸溜酒があり、そのままジンの原酒として使用するケースもあります。
また、日本のジンはボタニカルも日本特有の素材が使用されています。主な種類としては山椒・柚子・玉露などがあり、香りが高く海外でも高い評価を受けるほど人気です。

現在、クラフトジンは身近な存在となり、スーパーなどでも見かけるようになりました。値段は900〜5,000円以上と幅広く、手軽に入手できます。また、持ち運びが難しい、遠方の地域で販売されているクラフトジンを購入したいなどの場合、通販の利用がおすすめです。様々なブランドや種類のクラフトジンを購入できるため、楽しみの幅が広がります。